エネルギー消費CO2排出抑制

USJCは、エネルギー利用の効率化の取り組みを継続して実行しています。製造ラインは、最先端技術を採用した、省エネルギー工場となっています。さらにエネルギー利用の効率化を図る施策を毎年計画・実行し、継続的な削減活動を進め、温暖化対策に貢献しています。

旋回流誘引型成層空調システム
「SWIT® (Swirling Induction Type HVAC system) 」

USJCは、2015年から世界で初めて半導体製造ライン(前工程)に旋回流誘引型成層空調を採用しています。 「SWIT」とは、クリーンルーム内で温度成層を形成し、機器などの発熱体から発生する熱上昇流とともに浮遊微粒子を室上部へと搬送するシステムです。
2022年の工場増設にも同システムを採用し、環境負荷低減と高品質な製品製造の実現に努めています。

SWITシステム概要図

SWITシステム概要図

新冷媒を採用した高効率ターボ冷凍機の導入

2020年から工場エリア向け冷凍機更新について、気候変動問題の対策として、省エネルギーと冷媒フロン負荷低減の両面で効果が得られる高効率のターボ冷凍機の採用を進めています。2021年は既存冷凍機1台をノンフロン冷媒の高効率冷凍機に更新することで、エネルギー使用によるCO2排出量を削減し、R-514A等ノンフロン冷凍を採用することで地球温暖化係数は従来CO2の1430倍から2倍未満へ低減することができています。

2023年に2台の更新を計画し、2030年までに工場内のすべての冷凍機を、改正フロン法対象外のノンフロン冷媒を使用する高効率冷凍機に切り替え、省エネ・温暖化対策に取り組みます。

ターボ冷凍機更新 冷媒比較

  既設 新設
冷媒 R-134a R-514A
圧力 高圧 低圧
区分 フロン ノンフロン
GWP 1430 <2

※地球温暖化定数

ノンフロン冷媒採用ターボ冷凍機

ノンフロン冷媒採用ターボ冷凍機

SDGs 13 気候変動に具体的な対策を

電力再生可能エネルギー比率向上への取り組み

脱炭素化社会への貢献を目的として、工場で使用する電力の太陽光発電など再生可能エネルギー利用比率向上に取り組んでいます。
2022年は三重工場の太陽光発電パネルで986MWhの電力を発電しました。今後も敷地内への太陽光発電パネル設置を計画的に進めていきます。

三重工場に設置した太陽光発電パネル

三重工場に設置した太陽光発電パネル

SDGs 07 エネルギーをみんなにそしてクリーンに

水資源の循環利用

製造ラインでは、純水使用後の排水を回収し、純水に再生することにより、水資源の保全に努めています。また、酸・アルカリ排水とフッ酸排水においても、回収してリサイクル処理を行い、排ガス処理設備で使用する循環水の補給水、その他洗浄水等に使用しています。そして、最新の技術を採用した水処理システムによって適切に処理したキレイな水が、工場用水を採用している河川に合流する川に戻るようにすることで、水資源の循環に努めています。

水資源循環の概念図

水資源循環の概念図

SDGs 06 安全な水とトイレを世界中に

廃棄物抑制

廃棄物発生抑制のため、3Rの推進に積極的に取り組んでいます。 
資源循環社会の形成に貢献するため、工場で使用したフッ酸を回収して蛍石生成する技術(フッ素回収システム)の導入、使用済み活性炭の再生利用、回収した廃硫酸を排水処理用に再利用する用途で有価売却などに取り組んでいます。こうした取り組みにより、2022年は生産量が増加しましたが、廃棄物発生量を2019年比で28トン削減まで抑制しました。

フッ素回収再生システム

高濃度のフッ素含有排水処理向けに開発した「攪拌型晶析装置」を導入し、回収した高濃度フッ酸排水から粒子状になった蛍石を生成し、化学薬品製造会社に売却することで、再度フッ酸製造の原料として循環する仕組みを実現しています。

フッ素回収再生システム

世界初の活性炭再生技術で廃棄物削減

これまで取り組んできた世界初の活性炭再生技術の実証試験結果から最適化した実運用を2018年から開始し、安定して運用を継続しています。有機排ガス除去の活性炭吸着施設で使用する高機能活性炭を、超臨界流体の力で再生することで、従来の方式より活性炭の長寿命化に成功しています。活性炭廃棄量削減効果としては従来の1/2に削減することができました。
今後も、リユースに向けた取り組みを積極的に行い、廃棄物の抑制に努めていきます。

世界初の活性炭再生技術で廃棄物削減

サプライヤーとの環境活動協働

昨今の世界的な環境負荷低減の動きや外部利害関係者からのニーズにより、サプライヤーとの環境活動の協働が求められています。
2018年度から、地域的に好条件であり、長年培ってきている密接な関係を持つオンサイトガスメーカーにご協力をお願いし、具体的な協働視点として、①CO2排出量削減、②生物多様性保全、③水資源保全の3点で、取り組みを開始し、意見交換を実施しています。

SDGs 06 安全な水とトイレを世界中に

SDGs 13 気候変動に具体的な対策を

SDGs 15 陸の豊かさも守ろう